11月22日は、「ボタンの日」です。
「ボタンの日」は、どのような意味や由来で出来た記念日なのか?
また、ボタンは、いつからあるり、どう進化してきたのか?ボタンの歴史についても詳しく紹介しています。
ボタンの日は、いつ制定されたのか?
「ボタンの日」は、日本ボタン協会、全国ボタン工業連合会などによって、1987年(昭和62年)に制定された記念日です。
「ボタンの日」の由来とは?
11月22日の「ボタンの日」は、1870年(明治3年)11月22日に、大政官布告によって日本海軍の軍服がイギリス海軍の制服を参考に、ヨーロッパスタイルのネイビールックとして決まった日です。
この日本海軍の軍服に、「前面2行各9個、後面2行各3個の金地桜花のボタン」が採用されたのを記念してできたのが「ボタンの日」です。
ちなみに、陸軍の軍服は、明治4年にフランス陸軍の制服を参考にして決められました。
ボタンの漢字の「釦」の由来とは?
ボタンを漢字で書くと「釦」という字になります。大政官布告で、軍服にボタンが採用された時には、「釦」という漢字はありませんでした。ちなみに「釦」という漢字は、日本で作られた字で、大村益次郎という人が考案したそうです。
その為、大政官布告が出たときは、服の口に金属製品を入れて紐の代用としていたので「紐釦」と書いてボタンと読ませていました。現在では「釦」という字で、ボタンと呼んでいます。
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ボタンの語源とは?
ボタンの語源は、よく分かっていません。一説によれば、ポルトガル語で「花のつぼみ」という意味の「butao」と同語源ではないかと言われています。
ボタンの歴史とは?
ボタンの原型になったモノは、2万年も前からボタンと同じ役割を果たす道具が見つかっています。
約2万年前(ウルム氷期)
最古のボタンは、骨から作ったピンのような形状です。当時は、人類が動物の毛皮で身をくるんでいましたが、その毛皮をとめるのにつかわれていました。
紀元前3000年(古代エジプト)
エジプトの遺跡からボタンの原型といえる道具が見つかっています。また、バックルが出土しており、当時は、賢威を示す装飾品として使われていたのではないかと言われています。
紀元前1600年(ギリシア)
ギリシアのクレタ島では、上着に着ける飾りボタンが見つかっています。
紀元前700年~500年ごろ
ローマの兵士の甲冑に金属の留め具が使われていました。
紀元前500年
ギリシア人の服に、骨やガラス、粘土、金などの材料で作られたブローチが使われていました。服をとめる本来の役割として使われたのは当然ですが、装飾品としても使われていたようです。
5世紀~6世紀(西洋の中世期)
古代ゲルマン民族は、毛布や布をとめるのにボタンが実用化していました。当時のボタンの材料は、動物の骨や角、貝、木の実などが使われていました。
14世紀~16世紀(ルネッサンス)
ルネッサンス文化になると、服をとめるボタンだけではなく、装飾品のように綺麗に加工されたボタンがフランスの王族や貴族に流行しました。その為、高価なボタンが作られるようになり、宝石や金、銀、真珠などの素材が使われたモノが多く作られました。
18世紀(産業革命)
18世紀から19世紀にかけて産業革命が起こり、機会で大量生産が可能になりました。その為、産業革命によりボタンの価格が下がり、一般人が着るジャケットやベスト、ブーツなどにもボタンが使われるようになりました。
1849年
アメリカでゴールドラッシュが起きたことで、より動きやすくて丈夫なジーンズお原型が作られるようになりました。ジーンズが誕生した1870年代は、フロント部分は、ボタンが使われていました。これは、デニム記事の防縮加工技術が未発達で、洗濯をすると生地が縮むため、ジッパー(チャック)よりもボタンの方が都合が良かったためです。
19世紀
19世紀になり、明治初期に、日本の海軍、陸軍の軍服に初めてボタンが採用されました。
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西洋のボタンと東洋の紐
ボタンと言えば、洋服です。洋服といえば西洋ですが、西洋では狩猟文化の影響で、動物の骨を使って服をとめていましたこの動物の骨が、発展してボタンになったという説があります。
また、ボタンは、海に近い地域では、魚の骨や貝などを加工して作られていたと思われます。特に、貝のボタンは現在でもあります。中には、美術品的な価値がある細かい細工がされた豪華なボタンもあります。
西洋に対して、東洋では、農耕文化が発展したことで、植物線維で紐(ヒモ)でとめる方法が発達しました。日本の和服が紐や帯で巻いてとめるのがいい例です。
ボタンの話といえば制服
ボタンといえば、学生の卒業式の日に、好きな人の制服の第二ボタンを貰うというイベントがあります。これは、卒業式の記念ということですが、なぜ、第二ボタンなのでしょうか?
第二ボタンをもらう理由は、正確なことは分かりませんが、一説によると、第二ボタンは心臓に近いことから、好きな人の第二ボタンをもらうという説があります。
ちなみに、この第二ボタンをもらうのは、いつから始まったのかは、さだかではありません。
卒業式であげるボタンの位置
卒業式での制服のボタンと言えば、第二ボタンのイメージが強いのですが、第一ボタン、や第三ボタンにも意味があったことは知っていますか?
ある説によると、「第一ボタンは親友に」「第二ボタンは恋人に」「第三ボタンは友達に」といったように、大切な人の順番に第一、第二、第三と上かららあげるのでは、と思いました。
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ボタンの日を制定した日本釦協会とは?
ボタンの日を制定した日本釦協会は、正式名称は「一般社団法人日本釦協会」です。設立は1956年で、60年以上の歴史を持つ組織です。
日本釦協会は、日本で政府が公認している唯一の「服飾ボタン」の団体のようです。政府公認ということで、会員になっている会社は、2017年段階で、71社ありまり、ボタン産業の育成のために色々な行事を行っています。
日本ボタン大賞
日本釦協会が行っているイベントで有名なのが「日本ボタン大賞」です。日本ボタン大賞は、1989年から始まったイベントで、毎年、秋口に、ボタングランプリの発表と表彰が行われています。
ボタンは、洋服に必須ということで、ファッション業界で活躍している著名人も参加しています。ちなみに、日本ボタン大賞は、一般の人からもデザインやアイデアなどを公募しています。