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「いただきます」は、何故言うのか?

幼稚園のお弁当、小学校の給食のときには、皆で声をそろえて「いただきます」といったモノです。

この「いただきます」という言葉、私は、当然のように使っていましたが、「いただきます」と、何故、言う必要があるのでしょうか?

「言うべきか?」「言わなくていいのか?」については、人それぞれの価値観があるので、どうとは言いにくいと思います。

ちなみに私は、「言った方がいい」と思っている人です。

実際に、子供に伝えたい言葉に「いただきます」も入っているようですね。

その反面、言う必要がないという親がいるのも現実です。


ここでは、「いただきます」について

  • 語源
  • 意味
  • 「いただきます」の返答の仕方
  • 子供への教え方
  • 英語でどういうのか?
  • 海外でも言うのか?

など、「いただきます」について色々とまとめて紹介しています。

 
「いただきます」を言う、言わないは別として、まずは、「いただきます」についての理解を深めてみてはいかがでしょうか?

「いただきます」を漢字で書くと?

「いただきます」を漢字で書くと

  • 頂きます
  • 戴きます

の2種類の漢字が使われています。

漢和辞典、国語辞典で調べると、特に使い分けはされていないようです。

常用漢字を優先するという場合は、「頂きます」を使うほうが望ましいのかな?と思います。

漢字の意味を考えて使い分ける

頂く」という漢字は、「山頂」「頂点」「絶頂」と言った感じで、「高い所」の意味があり、上下の概念があることが分かります。「戴く」は、「戴冠(たいかん:王冠を頭にのせる)」「推戴(すいたい:団体の長として上に立つ)」「戴天(たいてん:天をいただくこと)」と言うことで、上にかぶさるような意味合いがあることが分かります。

この為、食事の時の「いただきます」は、「頂」という感じを使った方が意味的に合う気がします。(詳細は、下記の「いただきます」の語源を読むと分かります)

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「いただきます」の語源・由来

「いただきます」の語源、由来とは、何なのでしょうか?まずは、「いただきます」の語源を見ていきたいと思います。

山の高いところを「頂き(いただき)」と言いうように、「いただきます」の「いただき」は、高い所をあらわしています。

この「頂く」の元となった言葉は、

  • 神様にお供えしたものをいただく
  • 位の高い人からモノを受け取る

といったように、神様や位の高い人など、自分より上のモノ(高いモノ)から受け取る時の、頭上に載せる意味も持つようになります。

具体的な頭上に載せて受け取る様子は、「神社で御祈祷をする時のお供え物を頂くときの神主の動作」「時代劇でお殿様から褒美の品を受け取る家来」などをイメージすると分かりやすいと思います。

この神仏へのお供えモノや上位の者から貰うことが、「頂く(いただく)」という言葉の語源になっています。さらに、頂いたものを食べる時の謙譲語(自分がへりくだった言い方)として、「いただきます」という言葉になったようです。

「いただきます」の意味

食事をする時の「いただきます」の意味には、いくつかの説がありますが、ここでは主要な2つの説を紹介します。

1つ目:食事に携わった人への感謝

食事に携わっている人への感謝

  • 食事を作ってくれた人
  • 栽培をしてくれた人
  • お米や野菜を作ってくれた人
  • 魚をとってくれた人
  • 家畜を育ててくれた人
  • 料理をしてくれた人

など、食事に携わっている人々への感謝の心をあらわします。

2つ目:命への感謝

私たち人間は、生きていく食べには食事をする必要があります。食事で食べる物は、すべて、肉や魚、野菜、果物などの生きているモノの命を頂くということです。

この為、食事のまえに「いただきます」ということで、

  • 「牛の命を私の命にさせて頂きます」
  • 「サンマの命を私の命にさせて頂きます」
  • 「卵」の命を私の命にさせて頂きます」
  • 「キュウリの命を私の命にさせて頂きます」

「○○の命を私の命にさせて頂きます」と、それぞれの食材に感謝する意味があるとも言われています。

単純に「いただきます」と言っている私たちですが、実は、「いただきます」の前には、「○○の命を」という言葉が隠されています。人間は、食事をとる事で生きています。この食事で食べる物の命に感謝するという意味が「いただきます」の本来の意味だと言う人もいます。私たちは、色々な「命」に支えられて生かされていることが分かります。

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「いただき ます」を言わない人が増えている

近年、核家族化などが進むにつれて、日本の習慣が子供に引き継がれなくなり、「いただきます」の本来の意味を知らない親が増える事で、

  • 学校で給食費を払っているので言わなくていい
  • お金を払っているので、お店では言わなくていい

といったことを言う親が増えているようです。

「いただきます」の本来の意味や由来を知り、「食事」に関する全てに感謝する気持ちが生まれれば、自然と「いただきます」と言った言葉がでてくるのではないかと思いまうs。

「ごちそうさま」の意味と語源

「ごちそうさま」は、漢字で書くと「御馳走様」になります。「馳走(ちそう)」とは、「走り回る」の意味です。昔は、食事をとるのも大変で、来客が来た場合に、食材を揃えるために走り回って食材を集め、食事を用意していました。

この馳走に江戸時代以降に、「御」という丁寧語を付けることで「御馳走」が、「もてなす」意味になり、「御馳走=贅沢な料理」をさすようになりました。

さらに、色々と走り回って、大変な思いをして食事を準備してくれた人に感謝をこめて「様」を付けるようになり、「御馳走様」「御馳走様でした」という様になりました。

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「いただきます」の時に、手を合わせる(合唱)のは、地域によりけり・・・

「いただきます」を言うときに、私の住んでいる地域では、「手を合わせて、合唱して」言っていました。だから、「いただきます」を言うときは、合唱するのが当たり前と思っていました。

しかし、2015年2月24日から3月16日の21日間に渡って、Jタウンネットにより行われた「手を合わせていただきます」を普段からするのか?と言った調査によると

  • 合唱して「いただきます」という:64%
  • 「いただきます」と言うが、合唱しない:28.8%
  • 合唱するが「いただきます」はいわない:1%
  • どちらもしない:6.3%

という結果になっています。

三重県、鳥取県、島根県、高知県、長崎県の5県は、「合唱していただきますと言う」人が100%でした。これに対して、岩手県では「いただきます、と言うが合唱しない」という人が75%でした。また、愛媛県では「どちらもしない」という人が100%と言った様に地域によって様々のようです。

「いただきます」は、なぜ手を合わせるのか?その理由は?

日本では、「いただきます」を言うときに手を合わせて、合唱する人の割合は、64%程度です。必ず、手を合わせるわけではありませんが、なぜ、手を合わせるのか?その理由を考えてみました。

そもそも、合唱(手を合わせる)とは?

手を合わせる「合唱」とは、インド古来の礼法で、仏教徒が顔や胸の前で手の掌や指を合わせる行為です。この合唱は、仏様や菩薩様などを拝む意ことを意味したものが、仏教を通じて日本に持ち込まれました。基本的に、合唱は、アジア諸国においては挨拶の習慣として使われています。

日本では、お寺や神社などに参拝する時に、何気なく合唱する人がおおく、これはインドの元来の合唱と同じだと思います。

食事の「合唱(手を合わせる)」とは?

日本では、お寺や神社以外にも、食事のときの「いただきます」「ごちそうさま」や「ありがとうを言うとき」「お願いをするとき」などなどにも合唱をします。これは日本独自の合唱であるようです。

お寺や神社で、目に見えない力の働きへの畏敬の念が加わり発展したのが日本独自の合唱であり、その思いは「尊さ」「感謝」などをあらわすようになったのではないでしょうか?

そんな「感謝」や「尊さ」の思いが、自然と、食事のときの「いただきます」「ごちそうさま」の感謝とつながって、自然と合唱する人が増えたのではないかと思います。

「いただきます」の意味を子供が実感しにくい・・・

現代では、食べる物は、スーパーやコンビニなどで気軽に買うことができます。しかも、肉や魚など、生き物の命を頂いていると実感できる食材は、加工されて、元の形が分からないものも多いです。

この為、子供達が、命を頂いていると実感できる鶏を自分たちで締めて調理させる課外授業に参加したり、生きた魚を釣ってきて、さばいて調理するなど、生きているモノを殺して食材にしているということが実感できる経験を積むことで、食育として、子供の貴重な経験をすることで、「いただきます」の本当の意味を理解できるようになるのではいかと思います。

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子供への教え方

子供に「いただきます」を言ってもらいたいと思う、お母さん、お父さんは多いと思います。ここでは、子供が「いただきます」をいう様になるための教え方を紹介します。

基本的に、子供が「いただきます」を教えるためには、

  • お父さん、お母さんも「いただきます」を必ず言う
  • 「いただきます」を何度も見せ続ける

というのが基本になります。

子供は、親の姿を見て育ちますので、まずは、親がキチンと「いただきます」を言って、見せるのが大切です。

ただし、「いただきます」を言わないからといって、食事をあげない、と言うことはしないでくださいね。

さらに効果的な方法

子供が赤ちゃんなどの小さな子の場合は、さらに、効果的に、「いただきます」を教える方法としては、ひと口食べるたびに、「いただきます」を言ってみます。これを繰り返すと、なんとなく、「いただきます」の意味を理解してもらえる気がします。

子供に、食事の前の「いただきます」をする理由を聞かれたら?

特に、無意識に行っている食事の前の「いただきます」の挨拶ですが、子供によっては、「なぜ、言わないといけないのか?」といった疑問に感じる子供もいると思います。

一般的にありがちな答えとしては、

  • マナーだから
  • 皆やっているから
  • そういう決まりだから

といった、ありきたりな回答では子供は納得できません。

このように、簡単な答えで返すのではなく、子供がせっかく疑問に感じたのなら、この機会に「いただきます」の言葉の意味を教えながら、子供に「命の尊さ」や「食事への感謝」を教えるいい機会だと思います。

具体的に子供へ教える回答としては、

  • お肉やお魚、お野菜たちは、あなたのカラダになるために命をくれたのよ
  • お米やお野菜を育ててくれた人への感謝

といった感じの、このページの「いただきます」の意味、を踏まえて説明をしつつ、
他の命によって、自分が生かされていることを理解し、食べ物を粗末にしない
といったことが子供に通じればと思います。

小学生など、ある程度の年齢の子供の場合は、釣りなどに行き、生きた魚をさばいて調理しているところを子供に見せると、命を頂いている実感がわきやすいと思います。

課外授業などで、食育として、鶏を絞めて調理する体験をさせているところもありますが、子供によってはショックが大きくなるので注意が必要です。とは言っても、体験しながら学べると、「いただきます」の意味が子供に理解しやすいと思います。

「いただきます」の返答は?何というべきか?

食事のときに子供が「いただきます」と言った後に、何と返答するべきか?これは、必ずコレと言った決まりはないと思いますが、一般的に、どのような言葉で返答しているのか?参考になるモノを載せておきますので、参考にしてください。

「いただきます」の返答としては、

  • 召し上がれ
  • どうぞ召し上がれ
  • 同じように「いただきます」
  • はい、どうぞ
  • はーい (はい)
  • おあがりなさい
  • どうぞ

といったような言葉があるようです。

「召し上がれ」が一番、多いのではないかと感じました。

この他にも、子供に対しては、「いっぱい食べてね」「よく噛んでね」「こぼさないでね」と言ったような返答もあるようです。

「いただきます」の類義語・同義語はあるのか?

「いただきます」の類義語、同義語があるか調べてみました。

基本的に「いただきます」については、

  • 頂戴します
  • ゴチになります

といった類義語、同義語があるようです。

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「いただきます」って意味の英語ってあるの?

日本で使われている食事の前の「いただきます」は、「動物や植物の命を頂きます」や「食材、食事を作ってくれた人への感謝」といった意味合いがあります。

このような日本的な「いただきます」は、英語など海外では、同じような意味の言葉はなく、「いただきます」は日本だけの文化だとも言われています。

海外の場合は、日本の「いただきます」とは違い、食事の前に「祈りをささげる」といった行為は存在するようです。

「いただきます」を英語で言うと・・・?

「いただきます」をあえてアメリカやイギリスなどで使われている英語で言うと、、

  • Let’s eat(食べましょう)
  • I take your life(命を奪う)

といった感じになります。

その他の外国語での「いただきます」

ここでは、イギリスやアメリカなどの英語以外の外国語で「いただきます」を言うと、どうなるのでしょうか?全て深い意味も交えて調べるのは大変なので、Googleの翻訳で「いただきます」を訳した内容を一覧で紹介します。

▼一部、文字化けして見れないモノもあります。

英語で「いただきます」は?

Let us eat

フランス語(仏語)で「いただきます」は?

Laissez-nous manger

イタリア語で「いただきます」は?

Andiamo a mangiare

スペイン語で「いただきます」は?

Comamos

ドイツ語で「いただきます」は?

Lass uns essen

ポルトガル語で「いただきます」は?

Vamos comer

ポーランド語で「いただきます」は?

Zjedzmy

オランダ語で「いただきます」は?

Laten we eten

スウェーデン語で「いただきます」は?

Låt oss äta

ギリシャ語で「いただきます」は?

Ας τρώμε

アラビア語で「いただきます」は?

دعونا نأكل

ヘブライ語で「いただきます」は?

תנו לנו לאכול

モンゴル語で「いただきます」は?

Бид идэцгээе

ネパール語で「いただきます」は?

हामी खानौं

トルコ語で「いただきます」は?

Yemek yiyelim

タイ 語で「いただきます」は?

ให้เรากิน

ミャンマー語で「いただきます」は?

အစာစားကြပါစို့

ベトナム語で「いただきます」は?

Chúng ta hãy ăn

マレー語で「いただきます」は?

Marilah kita makan

フィンランド語で「いただきます」は?

Syökömme

ラテン語で「いただきます」は?

Cibum sit scriptor

ペルー語(スペイン語)で「いただきます」は?

Comamos

ブラジル語(ポルトガル語)で「いただきます」は?

Vamos comer

タガログ語で「いただきます」は?

Kumain tayo

スワヒリ語で「いただきます」は?

Hebu tufanye

ロシア語で「いただきます」は?

Давайте есть

ハワイ語で「いただきます」は?

E’ai kāua

中国語で「いただきます」は?

让我们吃饭
讓我們吃飯

韓国語(ハングル)で「いただきます」は?

잘 먹겠습니다

北京語と台湾語は、分かりませんでした。

まとめ

「いただきます」で検索をされる人は、

  • 子供に教える
  • 外国人に教える

といったことで、まずは、自分で、「いただきます」の意味を調べている人が多いのではないかと思います。

ここで説明した、「いただきます」の

  • 神様のお供え物、位の上の人からのもらい物を受け取る時の「いただく」という意味
  • 食事や食材を作ってくれた人への感謝
  • お肉や魚、野菜、果物などの命をいただく

と言った語源や由来、意味を理解することで、自分なりにも説明がしやすくなったのではないかと思います。